Made of breath only / Sleepmakeswaves

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オーストラリアの4人組の、今一番来日してほしいポストロックバンドの2017年3枚目。初期65daysofstaticのフォロワー路線は継続して、相変わらず高水準な内容になっているとは思うものの、前作「Love of cartography」で上がり切った期待値を超えることはさすがに難しかったという印象。まあ変化を付けないと前作超えるの無理だろうとも思うけれど。硬質なリズム隊に全体的に轟音パート多めのわかりやすい構成自体は同じなんだけど、なんか壮大になった代わりに冗長になってて求めているものと違うというか、個人的にsleepmakeswavesにはカタルシスよりも、轟音気持ちいいとインスタントに楽しめる感じが欲しいです。

 

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The best planet ever / Wuja bin bin

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日本の13人編成の大所帯バンドの2017年3枚目。リーダーはBeat crusadersの元メンバーらしいけど宣伝効果は下手するとマイナスじゃないかと思う。かくいう自分も前作『Inaka jazz』をタワーのインストポストロック用試聴機で目にして、棚間違ってるぞと冷やかし半分で試聴して棚合ってましたと平謝りしながらCDを手にしたクチ。でも今作の方が好き。よりキャッチーなFrank Zappaを目指してるっぽい気がするけど、Frank Zappaを2枚しか、それもろくに聞いてない自分にはCaravanやNational health等のカンタベリー系をアッパーにした印象。暖かい音を基調に、なんか複雑な事してそうだけどなんとなく聴く分には特に難解さは感じず、でもたぶん複雑な事してるから全然頭に残ってなくて、なんかハッピーだったなとぼんやりした輪郭が残る、前作も今作もそんなアルバム。違いは今作は前作よりなんか疾走感あるなってぐらい。

 

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Da mind of Traxman vol 2 / Traxman

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Juke/Footwork界の大御所の2014年2枚目。ジャンル自体を認知していなかった時に聴いた1stが凄かったこともあって、正直若干地味な印象を受けるアルバム。ジャケットのイメージ通りで、カラフルで肉感的だった暖色1stに対するストイックで硬質的な寒色2ndといった印象。Juke/Footwalkというジャンル自体、他にRP booぐらいしか聴いて無いけれど、個人的には2ndの方が王道っぽくて1stがむしろ異端な気がする。Shpongleからサイトランスに入ろうとしてフルオンの壁を抜けられず諦めたように、ジャンルとしてではなくTraxman単体で追いかけた方が良さそうだと思った。一要素としてJuke/Footwalkが混ざってるのはウェルカムなんだけど、こればかりでアルバムを構成するのはしんどいというか、そもそもホームリスニング用のジャンルじゃないから仕方がない。

 

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Moh lean / Why?

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アメリカのヒップホップとインディーロックの中間的なバンドの2017年6枚目のアルバム。どうせ『Elephant eyelash』と『Alopecia』超えは無理だろうし、そこそこの出来ならいいかと過度な期待はせずに聴き始める。1曲目でこれやばいんじゃないかと疑惑を持ち、2曲目でけしからんと悶絶しながら確信を抱き、一通り聴き終わって年間ベスト候補とメモを取る。これまでのWhy?は曲調的な変遷はありつつも、根本的には陽性一辺倒のゴキゲンなポップミュージックだと思っている。でも今作は憂い成分満載でなんかグサグサ刺さってきて、やってる事はこれまでと大差無いはずなのにこれまでとはかなり違う印象を受けた。5月の来日がとっても楽しみ。