VA 『We out here』

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イギリスの、特にロンドン周辺の若手を主体としたモダンジャズのコンピレーションアルバムらしい。2018年発売。正直ジャズに関しては定番所をすっとばしてMammal handsから突入を試みている身なのもあってか、私にとってのこんな感じのジャズが好きというイメージにカチリと入り込み、かつどれもこれもかっこいいなあチクショウってなってとても満足。編成の差は当然のことながら音響要素があったりアフロビート(?)があったりと曲毎の多様性を感じつつも、全体的にはクラブミュージック以降の影響を受けていそうだなと言うのが大まかな共通点としてある印象で、ロックに軸足がある人にとってはむしろ入りやすい気がする。というか私がそういうのしか聴けないってのもある。個人的にはShabaka Hutchingsの" Black skin, Black masks"がいい感じで不穏で疾走感があって一番のお気に入り。

 

Mammal hands

uchuu 『2069』

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日本の4人組のロックバンドの2018年フルアルバムとしては2枚目で発売したと思ったらそのままなし崩し的に解散、uchuuの最後のアルバムとなる。シンセ、クラブミュージック要素が強く出しつつパワーポップ調のメロディを伴ったデジタルロックという印象。正直やりたいことをやってるというよりもマンネリ防止で迷走している感もあり、その中で一人脱退したりと黄色信号灯ってるとも思ったので驚きは少なかった。変化を否定したくはないので初期のパワフルな曲調主体だった頃の方が良かったとは言いたくはないが、自分の中では今作聴くよりも『Happy』の『Hello,Hello,Hello』あたりをリピートした方が楽しいし、単純に質が高かった気がしてならない。

Magma 『Zess』

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フランスのプログレバンドの2019年の久しぶりの新作。但し過去にライブ音源しかなかった30分超の大曲をキッチリ仕上げただけという『K.A.』と同じような作品で、いよいよ全く新規の曲は作らないのかなと思うと一抹の寂しさを覚える。内容的には非常に反復がくどく構成的な派手さに欠ける一方、オケ導入した影響か軽くて華やかな綺麗な雰囲気が支配的かつボーカルパートの主張が強く歌ものの側面が強いという、かなり特徴的なアルバムになっている印象を受ける。ぶっちゃけ初めて聴いた時はMagmaにしてはパンチ足りてないなと思ったり思わなかったり。そういうものだと慣れてくると結構心地よくなってくる。


Zess (Le jour du néant)

jizue 『Gallery』

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日本の4人組のインストバンドの2019年8枚目ぐらい。メンバー4人が2曲ずつプロデュースをするというこれまでの作品とは異なったアプローチをしていて、結果的に恒例となっていたゲスト参加のボーカル曲が消えて完全インストアルバムとなっている。まあ、ジャズ要素強めのテクニカルなインストという根本部分はあまり変えていない印象なので、素人目にはぶっちゃけ違いはよくわからんよね。個人的には反復要素が強くなった一方で、轟音というかタメてタメて爆発させるって感じのJizueお得意の構図が減って次のステップを模索してるのかなって感じた。それと例外的にドラムの人プロデュースの最後2曲のアヴァンギャルドな曲調はこれまでのJizueと違って面白かった。ライブでどうなるかワクワクしてたのに、リリースツアーですら2曲ともセトリから外されててドラムの人かわいそうってなった。悲しいなあ。