Satori / Flower travellin' band

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 はっぴいえんど系列とはまた違った流れを汲んだ70年代の邦楽ロックの傍流となったバンドの1971年2ndでたぶん代表作。全編英詩かつRobert Plant(Led zeppelin)を意識した歌い方に、初期Black sabbathを標榜とした黒くて重くて遅いリフ、サイケデリックなギターソロと洋楽から受けた影響をかなりダイレクトに表現している一方で、しばしばアジア、特に仏教を連想させる雰囲気を持っており、洋楽にはない独自の色を出そうという意識が感じられる。なむなむ。Satori part1〜part5のみ収録した完全コンセプトアルバムで、FTBのアルバムの中でも一際Black sabbath色が強く重厚なイメージを受ける。1971年邦楽シーンですでにこんな重い音をしたアルバムが出ているというのが驚きで、個人的には国内ドゥームの先駆け的な位置付けだという印象。単純に内容も良いんだけど、邦楽史的な面でも目に着くアルバムだと思う。