MS-Pro(Alessandro)所感

 GradoのRS-1のほぼ同等品らしい。SoundHouseで5〜6万ぐらい。自分は試聴もせず買ったけど、近畿圏ならeイヤホンでRS-1の方は試聴可能。

 暖かいというよりは情熱的と言う方がしっくり来る暖色系の音。高音が目立ち、スッキリ明瞭に聴こえるバランスはSA5000と同系列にある印象。ただし、硬質で冷たいSA5000に対し、MS-Proの方は柔らかくて熱量を持った感触でキャラクター自体は正反対だと思う。

 圧迫感を感じるぐらい近くで鳴ってるわりに、音の抜けというか、分離感が妙に良いような印象がある。悪く言えばスカスカで圧力に乏しい感じで、HD650やD5000と取り換えた直後に結構な違和感を感じる事が多い。手持ちヘッドホンの中で妙にノリノリになる要因だと思う一方、轟音ギターに合いそうなのに、むしろ微妙に感じる事が多い原因でもありそう。

 低音はSA5000よりは多いけど、T1よりは少ない程度。芯が太く明瞭な低音のためチョッパーなベースなどはじゃじゃ馬と化すが、ある閾値を下回る低域は一気に量感が減ってる感じで、結構癖が強いようにも感じる。

 熱量が高いためDisillusionの2ndやOSI等の陰鬱で退廃的な曲や、Autechre、Scuba等の無機質で硬質的な曲では、暑苦しさ全快で違和感を覚える事が多い。Slow sixもなんか違うと感じた。Caspian等の轟音ギターばっかりなのも意外と苦手。

 !!!やGalactic、Oneidaなど、ファンキーだったりクラウトだったり元気なロックは概ね得意な印象。BancoやGenesisなどのシンフォ系プログレもグッとくる事が多い。女性ボーカルも得意らしいが手持ち音源が少ないためよくわからん。

 装着間は噂に違わず悪い。自分の場合は連続使用は2時間が限界。

2011.08.07 書き直し