Fates / Erik Mongrain

Fates

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 アコギインストでタッピングを多様を多用するスタイルを突き詰めていった結果、琴にたどりついたアホ(褒め言葉)の1stアルバム。ビジュアル面のインパクトが大きく、そっちばかり注目を集めているが中身も素晴らしいアルバムとなっている、……と絶賛したかったけど、まあこんなもんだろってのが本音。

 Michael Hedes系列のタッピングとハーモニクスを多用した手数の多い曲調が基本路線。テクニック偏重のきらいあり。表面は柔らさや温かみを受けつつも根っこの部分は妙に無機質で突き放したような冷たさも感じる結構独特な音。癖が強くて好き嫌いがハッキリしそう。リズミカルな曲はミニマル感抜群でとても映える反面、叙情的な曲になるとパッとしなくなるというのが個人的に受けた印象。

 技術的に難しい要素を取り入れすぎて構成が散漫になっていたりメロディが捻くれてしまっている曲が多い気がするのが残念。もう少しシンプルな方が好みかな。

中盤の『Fusions』から『Confusion #8』までの流れが結構好き。

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