Hicksville  / Celtic cross


 HallucinogenとKilling Joke(未聴)のベースの人およびJames(未聴)のバイオリンの3人によるプロジェクト。H気になりつつも廃盤で悶々としていたら良いタイミングで再発された。トラッド、あるいはどこぞの民族音楽っぽいアコギとアンビエントサイケな打ち込みを軸に、適当に民族楽器を取り入れつつだらだらした暗めの曲調がほとんど。なんとなく砂漠を連想させる乾いた質感と、妙な粘っこさや湿っぽさが両立しているバランスから結構独特な印象を受ける。曲間にナレーションを挟みつつ打ち込みが主体のわりとキャッチーな前半から徐々に音響的なアプローチに変化し、5曲目でリズムがほぼ消失していく収束的な流れ。6曲目から発散方向へ転回、主役がアコギに変化してくどい反復によるミニマルな面が強くなる。最後だけヴァイオリンが印象的なアッパーな曲でサイケデリックトランスしていてかなり浮いている。個人的には後半のミニマルな曲調が特にお気に入り。