Punkgasm / Don caballero


 アメリカのマストックバンドDon caballeroの再結成してからの2008年2nd。通産だと6か7枚目。まだマスロックの範疇だと思うが、次の方向性を模索している中継点っぽい。前作同様マッチョで重量感のある変拍子ロックを基本としつつ、最初の曲を除いて全て5分未満のコンパクト志向の大儀の元にとりあえず色々やってみましたって感じがする。極端な例だとボーカル曲に手を出していたりとこれで散漫になっていないわけがない。ぶっといベースに手数と重量感を重視したドラム、切り裂くように鳴らすも切れ味は鈍そうなナマクラギター(褒言葉)の組合せで、重心の低いもっさりした音以外は苦手な不器用さんなイメージが強い。重厚長大で固めていた前作に比し、色々やってる今作ではオリジナルのDon caballeroにあった繊細さや叙情性が欲しくなる場面も少なくないため、アルバム全体を通した印象は正直あまり良くない。