Shpongle

■ Are you Shpongled?


 Simon Posford(Hallucinogen)とRaja Ramというトランス界の大御所によるユニットの1st。と書いてはみたものの、トランス知識ゼロなのでどんだけ凄いのかさっぱりわからん。そんなことよりジャケットの愛らしさはGentle giantの1stと双璧だと思っとります。

 民俗音楽とクラブミュージックの融合という、ゴア/サイケトランス界だと珍しくないっぽいが、門外漢的には実際聴くまで全くイメージできなかった変体音楽。現代文明とは無縁のイメージを受ける民俗音楽的な楽器や声に、その象徴のような機械を使った音響処理をジャンジャカ施すという発想には感服仕る。

 Shpongle作品の中でもアンビエントサイケデリックな要素が一番強く出ており、基本ダウナーでちょっとしたグロさを内包しつつ、ゆったりだらだらしていたらしたペースが標準。パーカッション軍団やハイテンショントランス軍団は要所で嵐のように駆け抜ける程度で、インパクトはでかいが全体の中での比率は少なめ。

 2nd以降定番となっているスパニッシュギターが無いのがちょっと残念。でもダークでストイックな雰囲気は1stが最も強く出ていてたまりません。もう大好き。

2009/05/17 


■ Tales of the Inexpressible


 みんな大好きShpongleの2ndアルバム。アンビエントサイケとか言われることが多いらしいが、ざっくばらんに分類するとトランスになるみたい。

 Shpongleといえば1stのDMTが有名らしいが、自分は本作の1曲目『Dorset Perception』に度肝を抜かれたクチ。しょっぱなのスパニッシュギターのラテンフレーズから民族楽器パーカッション→ジャジーなコンバス→人力トランス風ドラミング→まさかの口タブラという破天荒な組み合わせに驚き、なのに全く違和感無く繋がっている構成で二重にショッキング! DoseOne(Subtle, 13&God, Themselves)ブームに終止符が打たれるのであった。

 民俗音楽とアンビエント要素の強いトランスというのが基本的なスタイルで、本作は特にスパニッシュ、ラテン系の要素が強く出ている点、わりとシンフォニックなハッタリが効いている点、不気味さは控えめで透明感や清涼感が感じられるのが特徴だと思う。それと荒唐無稽な組み合わせによる音世界の広がりがShpongle作品の中でも抜きん出ている気がする。

 5年以上前の作品なんだけど、自分の音楽の世界をまた一つ拡げてくれたアルバムで、リアルタイムで聴いていたら理解不能だっただろうし、今出会えて良かったと思えるアルバム。

2009/05/10 


■ Nothing lasts... But nothing is lost


 ギラギラと悪趣味なジャケットが強烈なShpongle先生の3rd。最初は引いたが良く見ると愛嬌があってかわいらしい。

 音の方もジャケットから受ける印象通りの過剰装飾気味に音をガンガン突っ込んだギラギラ&ゴテゴテした印象が強い。それに伴い、民俗音楽要素が減衰し、人工的な音の主張が強くなる。リズムもアンビエント的なだらっとしたものやよりダンサンブルなものが増えたように感じる。

 ラテン、スパニッシュな要素が多めの序盤から速めのテンポで飛ばし、1stラストを拡大解釈したような民俗音楽要素ゼロの超絶サイバー時空を展開する全力疾走の前半から、オリエンタルで不気味でだらっとした1stよりの曲調が占める後半を経て、疾走感と透明感、スケール感を持った2nd風の終盤へと流れ込む。最後に飛び出したメタリックなギターリフにびっくりしつつ、いつも通り静かに終幕。これまでの集大成のようなアルバムかなという印象。

 ちょっと音詰込み過ぎて胃もたれするところもあり、細かく区切ったせいで1stや2ndのようにガツンと来る一曲ってのはないけれど、それでもやっぱ凄いわ。新作出ないんだろうか。

2009/05/11 


■ Ineffable mysteries from Shpongleland


 サイケデリックトランス大御所の4枚目。Shpongleじゃなければ間違いなく避けるジャケット。流石です。

 最初こそDMTを思い出すような、黒くてどっしりとした調子で始まるが、全体的には2枚目『Tales from ...』から民族音楽要素を薄めて透明感を持たせ、あまり極端に緩急をつけずにどっしり落ち着かせたような印象。リズムがロックっぽいもっさりした感じが多いことも手伝って、かなりYounger brotheっぽくもある。また、民族音楽要素をインド〜東アジアあたりで固めているように感じられ、透明感と熱っぽさの対比と言う形でアルバムのテーマは比較的統一されていると思う。

 ボーカルが純増しているのか、あるいはインストパートが印象に残りにくいのか、歌ものとしての側面が強くなったように感じる。個人的にはShpongleのボーカル曲はあまり好みではないのでちょっと不満を覚えていたりする。

2010/08/24 


■ Museum of consciusness


 イギリスの2人組のサイビエント系のユニット。2013年5枚目。自分にとっては今年の年間べストっぽい。

 民族音楽とギラギラした装飾過多な感じの電子音をミックスした、けだるくサイケなトリップミュージックな基本路線は変更なし。全体的に綺麗な音が多く、神秘的な雰囲気と不気味さが際立った印象で、どちらかというとコンセプト重視の統一感の高いアルバムだと思う。

 その辺もあってか、民族音楽っぽさは若干抑えている代わりに2nd『Tales of ...』以来のクラ要素が入ってきたように感じる。また、女性のボーカルやスキャットの採用率が高く綺麗な一方、定番のオッサン声がほとんど無くて寂しくもある。

 前半は比較的派手でわかりやすく、後半は静かにトリップ感を最大化させようとした構成。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=E201Wj1M-dI

2013/10/05