Subtle

■ For hero: For fool


 Themselves + バックバンド = Subtleのたぶん2枚目。ロックなヒップホップ。

 ロック色の強いダイナミックな構成と、要所で見られるエモーショナルなアプローチが他のアルバムにはあまり見られない要素で、本作の特徴だと思う。

 アルバム全体の構成としては、前半ロック、中盤ヒップホップ、後半サイケが強く出てきている。開幕から軽快で力強いロックサウンドとハッタリの効いたラップ、めまぐるしく移り変わる展開で畳み掛けてきて、最初は唸るものの、わりとすぐに飽きてきてしまう前半も悪くはないが、個人的にはSubtleらしいダラダラした後半が好き。

 一部の組曲構成や7〜8分のトラックなど、大曲志向が強くなっている反面、曲中で唐突に展開が変わることも多く、アヴァン度も低くない。

2009/09/26 


■ ExitingARM


 AnticonがらみなDJ DoseOneがらみなヒップホップ・バンド。個人的には今年一番良かったアルバム。

 自分にとってはYesの『こわれもの』やAmerican footballなんかがそうだったんだけど、極稀にその時の音楽の嗜好というか、こういうのが聴きたいっていう感情を一気に塗り替えてしまうアルバムに出会ってしまうわけで、これがそのレアな出会いの最新版。最近ヒップホップに対して苦手意識が薄れてきて、たまに頑張って聴いてたりしていたんだけど、これを経て一気に貪欲になる。ついでにマンネリ気味で薄れていた音楽への欲求も再燃される。

 ポストロック色がかなり強くて、漸近しているというより片足突っ込んでいてどっち側からアプローチかけているのかわからない状態。とはいえビートの強さや粘りのあるボーカル、早口にまくし立てるラップや多重録音も利用した掛け合いやコーラスワークなど、これまでに聴いた事のないタイプの音楽だった。この段落を綺麗に締める文章が思いつかなかったがもうなんというか大好き。

 序盤はほんのりサイケかつキャッチーなゆるいロックから、だらだら弛緩した中盤を経て、疾走感を伴ったギラついた曲が派手に展開する後半までの流れの全部が好き。

2008/12/12