Motorpsycho

■ Little lucid moments


 半年ぐらい前に出たMotorpsychoの新譜。買ったばかりの頃はアホみたいに聴いていた。

 4曲60分とちょっとマニアックな構成で、中身の方もストーナーサイケ色が強いため万人受けするとは言い難い。その代わりトリップ感は抜群で、個人的には凄く好みな仕上がり。ドラムが新しく加入したんだがこいつがどうも曲者で、空間に響き渡るようなぼやけたシンバルと硬質的で粒立ったスネアの対照的な組み合わせが派手で耳を奪われる。

 ストーナーを基調にしつつも、ブルース、プログレ、ポストロック、ハンマービート、ミニマル、宇宙サイケといつものように色んなカラーが詰まっていて、反復のくどい単調な展開が多いのに意外なほどカラフルなイメージ。

 今年一番の当たりはSubtleの新譜かなと思っていたんだけど、改めて聴くとこれもかなりやばいなあ。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=ajYEoLMFK_k

2008/12/11 


■ Heavy metal fruit


 Motorpsychoの新作。発売してすぐに手に入れてはいたけど、何回か聴いて自分には合わないかなとずっと放置してた。

 ここ最近の長尺曲ばかりの一般受けしにくそうな構成は相変わらずだが、その中身はかなり変化している印象。前作『Little lucid moments』が硬質でドライなストーナーサウンドだったのに対し、今作は高粘度でウェットなサイケサウンドに変貌した。メロトロンっぽい壮大かつ悲壮感漂うキーボードをバックに、ゆるいテンポで延々繰り返されるくどいフレーズの反復と、大幅に増量された即興要素を二大柱にした構成で、いかにもな60年代後半のサイケデリックロック〜即興多めの初期プログレあたりを連想させる仕様。サイケ色の強いKing crimsonといったイメージ。

 中〜高音よりの比較的フラットな環境で聴くと、どっしりてるわりに頼りない微妙な居心地の悪さや、どこまでも弛緩した締りの悪さを感じていたんだけど、低音を膨らませると安定感が出て、壮大でダイナミックな曲に感じられるようになった。今の自分の環境だとM2で聴いたときだけ飛びぬけて印象が良い。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=yyltMQFEi9E

2010/07/15 


■ The death defying unicorn


 ノルウェーのロックバンドの2012年の2枚組アルバム。キーボード奏者との連盟で、Motorpsycho & Stale Storlokkenが正式な名義。

 重厚長大プログレ、サイケ色がとても強い作風。管弦を多用していてシンフォ、ジャズっぽさが強くなりつつも、前作『Heavy metal fruit』の延長線上にある、粘度と熱量の大きな高密度なロック。

 Disc1は動のパートが大きく攻撃的で、Disc2は静のパートが大きく不気味な印象。ただ、対比をはっきりさせる意図ではなく、80分の大曲を適当な箇所でぶった切っただけって気がする。

 スケール感が大きい反面、リフレインがややくどく感じられて、ちょっと重い。個人的にはThe mars voltaKing crimsonみたいなしんどさを感じる。

 オケ大量導入ということもあって、2枚ともダイナミックレンジが広く、大音量で聴くこと前提のバランスな印象。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=atV4fQ4Z68k

2012/12/04 


■ Still life with eggplant


 ノルウェーの3人組のロックバンド。2013年、何枚目だろう。

 『Heavy metal fruit』以降のへヴィでサイケで冗長な流れに『It's a love cult』以前の透明感のある垢抜けた感じの要素が混ざってきた感じで、若干の先祖帰りが見られるアルバム。2曲目『August』が顕著なんだけど、ポップさとハードさが変な統合をされ方をしていて、面白いバランスになっているアルバムだと思った。

 長尺曲が多くてボーカル少なめなのは相変わらずだが、即興的な要素が減り、ポップで爽やかな感じメロディが増えていて、全体的に少し聴きやすくなった印象。

 個人的には最近のMotorpsychoの作風があまり好きではなく、正直今回もボチボチって感じではあるが、次作が楽しみになった。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=WJe1SM5IJO8

2013/7/20