Lite

■ Phantasia


 マスロックとポストロックの中間的な立ち居地でフラフラしている日本のインストバンドLiteの2枚目のフルアルバム。今回はかなりマスよりな印象。

 特徴のひとつであったメロウで湿った曲調が大幅に減衰し、鋭角的で乾いた音が増えたのと、ベースがこんなに自己主張するバンドだったっけ? というのがアルバム全体のざっくりした印象。

 前作もそうだったけど、常にSleeping peopleの影が見え隠れしているいうか、変化の仕方も含めてSleeping peopleっぽい要素が多いなと感じるのは気のせいだろうか。とはいえ轟音ポストロックやってみたり、綺麗形ポストロック試してみたり、80年代リヴァイバルを取り入れたりと、良く言えば貪欲に、悪く言えば無節操に色んな要素を取り入れているのは日本のバンドっぽい。

 相変わらずどこまでも真面目で上品なのが、長所でもあり、短所でもある。アヴァン要素が皆無なのもストイックで堅苦しい印象を受ける一因かと思う。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=Tc1yD9H7Rb8

2009/05/24 


■ For all the innocence


 日本のインストバンド。2011年3枚目。期待値を大きく超えていて、嬉しい誤算だったアルバム。

 前作までの流れとは結構変わっており、シンセが入ってマスからポストロック路線に転向。変拍子ポリリズムを多用した技術志向の強さを残しつつ、シンセによって音が華やかになり、ループ感が強くなった印象。また、意図的に音を割っているギターから轟音みたいな陶酔感も感じられて、似たような例を知らない事もあって、目新しくて面白いと思った。

 ノスタルジックな一面もあったりと、Battlesよりは攻撃的なFrom monument to massesといった印象。個人的にはしばらくこの路線を続けて欲しい。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=pe0pBG0voAo

2012/08/06 


■ Installation


 日本の4人組のポストロックバンド。2013年4枚目。

 シンセによる華やさと変拍子を多用した軽快さを特徴としたインストロック。今作はフレーズ等のミクロな面では複雑化に一層拍車がかかった一方で、曲単位でのマクロな面では緩急が減ってむしろミニマルになった印象。全体的にマスロック色が強くなり、BattlesやAucanの路線に近づいたように感じる。

 シンセの音は前作に比べたらむしろ減っているんだけど、代わりギターの音作りがそっちよりになっていたりピアノ等他の楽器が増えていたりと、曲調の多彩さもあってキラキラした印象はむしろ強くなった気がする。代わりに攻撃性やカタルシスといった要素が薄くなっているのが個人的には少し不満。

 前作『For all the innocence』の方が好きかな。

 YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=BlWiRjIcjOk

2013/06/08